児童ポルノ摘発、最悪の382件…ネット絡み半数

ちょっと気になったので、検証。

8/6日の警察庁発表とあるので、対象となる資料は警察庁少年非行等の概要と思われる。
そして、参照部分は「4 少年の犯罪被害」の部分。
まず、冒頭でおかしなことになる。
全体の少年被害数は変動なし、もしくは微減の傾向にある。
さらに、「(2)性犯罪被害」に至っては、減少傾向にあると明記される。
全体としての総論では、横倍もしくは微減がこの種の犯罪被害の傾向と見て間違いないと思う。

そして本題である、「(6)児童売春・児童ポルノ禁止法違反事件」になる。
記事に出ている数値は全てこの項のものだけを抜き出している。
ただ、個人的にはここで見えるのは送致件数の変化の無さである。
そもそもこの項の根拠となる「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」はH11年成立であり、それ以前はこの項自体が存在しない(別項に入っていたと思われる)のだから統計があるわけが無い(この点、記事の「統計を取り始めた〜」は間違っていないが正しくない。)。
また、H17年に「児童ポルノ」の項が倍増しているが、これはH16年の改正による増だろう。
その割に、全体数が増えないのはそもそも捜査に割かれているリソースが一定のままであるからではないかと邪推したくなる。
その考えで行くと、そもそもH12〜H14年あたりの増加傾向は専従者の増によるものではないかと考えたくなる。
そうすると、児童売春に係る案件が減り、児童ポルノに係る案件がその分増えたのは、H21年上期はそちらに重点が置かれたからと言うだけではないのだろうか。
 
このあたりは、警察のそれぞれに対する導入延べ人員数でも調べない限り分からないけど(調べようがないが。)
 
ついでに、被害者年齢別の資料も、年齢層構成比率はほぼ変化がない。
ここで分かるのは、「被害の低年齢化」は進んでいないということだろう。
全体数が増えているのだから、個別の数値が上がるのは当たり前。
そして、分母が200前後の統計で2〜3%の変化は有為な差異とは思えない。

最後の感想
現行法で取り締まれてるように見えるけど。